Sunday, March 30, 2008

東アジアは「停看聴」:[廈門・656天] Another Country

ここアモイの生活は快適で離れがたい。過ごしやすい気候、都市計画が成功し、美しい街並みと昔の姿を残す老街。旧正月に訪れた姐姐の故郷とは大違い、ごみが極端に少ない。そして人当たりのいい住民たち。バスに乗り込むと、白髪を見つけて席を譲る若者たち。それに何といっても安い物価。東京の三分の一の生活費は、今後のことを考えるとかなりの魅力である。しかし、離職して三カ月が過ぎている。いくら過ごしやすいとはいえ、蓄えに限りがあるかぎり、何らかの手を打たなければならない。アタシがもと住んでいた街でよくぶち当たる、実入りのいい乞食の集団に加わるのも手かもしれないが、人にものを乞うのは苦手である。・・・

Sunday, March 09, 2008

東アジアは「停看聴」:[廈門・635天] そして総経理が戻ってきた

・・・元在籍した辣腕総経理、彼が戻ってきた。これからの話は推測にすぎないが、これははじめから仕組まれた話らしい。辣腕総経理が去る際、彼が熱を入れていた姐姐に語った言葉は、「・・・辞めたのではない、いずれ戻ってくる・・・」。それが生きていたのだ。ではなぜ辞めたのか、いや辞めたのではなく外に出たのか。元ボスの仕組んだ罠にかかったからだ。元ボスの絶大なる信用の下にあったものの、ボスと元ボスとの確執から、彼はボスにつくことを選んだ。元ボス、烈火のように怒り、復讐の機会を探っていたのだ。その機会を自ら作り出し、その結果にボスも影のボスもお手上げ、結局外で仕事をさせていたのだ。彼が戻る際の条件に、元ボスの離職があったに違いない。

Monday, March 03, 2008

東アジアは「停看聴」:[廈門・629天] 麻煩

・・・話変わってアタシの情報。アタシから遅れること二カ月、年かさのいった二人が会社を去って行ったらしい。元ボスと元ボスの毛嫌いしていた男の二人。毛嫌いしていたとはいえ、自らが呼び込んだ人間である、それはないだろうと思ってしまう。どちらにしろ、二人に共通していたのは、辞める辞めると口にしながら、会社を離れるのをひたすら恐れていたことだ。先の見えない離職はキツイに違いない。かくいうアタシだって、仕事の声はかかっているものの、いつからとはいえず、アモイで緊張しながら時間をつぶしているありさまである。・・・

Sunday, March 02, 2008

東アジアは「停看聴」:[廈門・628天] "no country for old man"

風邪をひいていた。それもかなり強烈な。日本からやってきた偏屈な友人、友人はこの表現がいたく不満そうだったが、その友人が去り、ホッとしたところで体が変調をきたした。そもそもアモイ五十年来の寒波が続いたこともあり、寒さはアタシの体の隅々まで浸みこんでいた。偏屈な友人が寒いだろうからとわざわざ日本から用意してきてくれたカイロ、それを背中に貼っても何も感じなかった。ウソだろーという表情を浮かべた友人だったが、アタシは何も感じなかった。そう、あらゆる疲労が体の血行を止めていたらしい。・・・